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ポストコロナにおける保険(その1)

Side view of young bearded trader in headset talking with client and looking at monitor screen with trading charts and financial data while sitting in his modern office.

生命・健康保険商品はどう変化するか?

COVID-19が保険業界に大きな混乱を招いたことは疑う余地もありません。極めて予測不能な事態に直面している状況は、逆にチャンスと捉えることができるかもしれません。これから2回に分けて、とりわけ生命、医療、ファイナンシャルプラン型商品の仕組みを説明していきたいと思います。

未来のファイナンシャルプラン型商品についてもっと詳しく知りたい方はこちらをクリックしてください。

前回アジアが直面した健康危機は2002年のSARSにさかのぼります。SARSの影響で保障型商品のデマンドが急増し、敏速な販売リバウンドを経験したアジアマーケットもありました。COVID-19 はSARSより間違いなく深刻と予想するアナリストが多い中、私たちは生命保険と健康保険の価値は、なお増加すると考えています。それは顧客が医療保険、入院や重大疾病保障のベネフィットをよく分かっているからです。

デジタルが可能にすることや顧客を引きつける魅力は?

マーケットシェアは、ポストコロナの世界の現実を捉えている保険会社にシフトしていくでしょう。ここで強調したい重要なことの一つは、保険会社のデジタル機能、特にシームレスなオンラインで顧客との関係性をどう維持していくかということです。これは保険会社と顧客の間の信頼へと繋がります。さらに健康とウェルネスアプリや、医療保険のバーチャルドクターのネットワークといったイノベーションに投資している保険会社は利益が見込めるでしょう。

投資市場の変調が保険商品の世界を変える

投資市場に見られる大きな変調は、支払い能力や収益性に新たなプレッシャーを与え、それによって商品を変更せざるを得ません。予想される傾向は:

  • 株式市場の暴落が、顧客に投資連動型商品を考えさせる機会を作り出し、保険会社を資本負担の少ない商品へと誘引することは明白です。しかし株式市場が不安定でこの先数ヶ月は高いボラティリティが予想される場合、貯蓄型商品を求める顧客の多くは、こういった商品に対して二の足を踏みます。
  • 米ドル建ての商品は他の通貨と比べて明らかに安定しており、人気が続くでしょう。しかし30年米国債の年利は1.5%以下で推移しており、リターン保証の商品価値は顧客・保険会社双方にとって確実に減少しています。
  • 安定した長期リターンのある貯蓄型商品が含まれた従来型の提案はかつてないほど顧客を引きつけています。しかし低い利回りと、自己資本比率規制によって保険会社はリターン保証型商品を減らさなければなりません。リターン予想全体の大部分を保証のないボーナスが占めることになり、元本保証の提案は顧客にとって魅力がないものとなるでしょう
  • 預金金利という最低限のリターンの短期の保険商品を提案しているアジアマーケットもあります。しかし債券利回りや資本コスト上昇の影響を受け、保険会社にとってはこのマーケットは難しさが増しているようです。

不安定なマーケットと変わりゆく顧客デマンドに備えるにはアジャイルで

ポストコロナの世界で投資市場の価格が安定するには時間がかかるでしょう。ですから私たちは直面している不確定性に向き合わなければなりません。経済的な影響が、ヨーロッパ(スイスやスウェーデン)のように、アジアの開発途上国をマイナス金利へと押しやる可能性もあります。つまり従来の長期型保険が立ち行かなくなります。しかし戦中と同レベルの政府の借り入れによって、ここ長らく起こっていないインフレが引き起こされる可能性があります。

こういった投資市場の極端なスペクトルの可能性を踏まえて、アジャイルでいることがポストコロナの世界で成功できるかどうかの鍵でしょう。これは特に新商品に当てはまります:投資市場は不安定さと不透明さが続くので、保険会社は変化を予測し、顧客のデマンドに素早く反応し、迅速に価格を改定することが必要です。

ポストコロナの世界でどんな変化が起こるのかは誰にも分かりません。新たな商品のアイデアを出し、保障の重要性を特に見直す。このように十分な勇気のある保険会社には、大きな成功のチャンスが待ち受けているでしょう。

Bob Charles

Head of Actuarial, Coherent

Bob Charles is an actuary who enjoyed a 30-year career with Willis Towers Watson, culminating in leading the Asia Pacific business. He subsequently worked with insurance technology start-ups. Bob is currently the Head of Actuarial at Coherent, working with clients on finding great uses-cases and applications for our unique Spark technology.

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